胸部や腹部の臓器の位置がおかしいヘテロタクシー症候群の患者さんで肺高血圧症が報告され、医師がこの患者グループでの肺血圧上昇がもたらす深刻な結果に注意する必要性が明らかにされました。
The Ochsner Journalに掲載された研究「Pulmonary Hypertension in a Patient With Congenital Heart Defects and Heterotaxy Syndrome」はまた、ヘテロタクシー症候群の患者の心臓矯正手術が向上し寿命が長くなると、より多くのこの種のケースが登場するかもしれないと強調しているのです。
ヘテロタクシー症候群は、胎児の発育過程で臓器の回転が乱されることで発症する。 心臓が反対側にあるだけの病気と思われがちですが、それよりもはるかに複雑で、多くの奇形があり、その結果、臓器がうまく働かなくなるのです
肺、心臓、脾臓によく起こり、右型と左型で重症度が異なります。 ヘテロタクシー症候群の乳児の平均余命は一般に低く、1年生存率は右側症候群で約15％、左側症候群で約50％と推定されています。
右異所性（この症状の最も重い形態）で生まれたほぼすべての乳児は、肺血液流出障害と心臓奇形を持ち、右から左側への血液移動に影響を及ぼします。
イリノイ州オークローンにあるAdvocate Christ Medical Centerの研究者たちは、ヘテロタクシー症候群の26歳の男性について述べています。 この男性は、複数の心臓と血管の欠陥と脾臓を持たずに生まれ、息切れのために病院での治療を求めました。 しかし、今回の心電図検査では、肺動脈圧が上昇し、右心室がやや肥大していることが分かりました。
右心カテーテル検査で肺動脈の圧力が高いことを確認し、トラクレア（ボセンタン）を投与して治療することになりました。
ヘテロタクシー症候群と肺高血圧症の患者さんはこれまで1人だけでしたが、著者らは、心臓の矯正手術が良くなるにつれ、ヘテロタクシー症候群の乳児が成人まで生きることが多くなり、肺高血圧症などの疾患を発症する可能性があると指摘しています。