モンロー・ドクトリン

当初ヨーロッパの大国に無視されながらも、モンロードクトリンは米国の外交政策の支柱になった。 1823年、アメリカのジェームズ・モンロー大統領は、ヨーロッパ列強によるアメリカ大陸の追加植民を禁じ、アメリカが西半球の保護者であることを宣言した。 その見返りとして、モンローはヨーロッパ諸国の問題、紛争、現存する植民地事業には干渉しないことを約束した。 モンロー・ドクトリンとそれを補足する1904年のルーズベルト・コラリーは、当初は外交政策に手を出さないアプローチだったが、その後数十年にわたるアメリカの拡張主義、介入主義の土台を築いたのである。

1823年に発表されたモンロー・ドクトリンには、数十年にわたって米国の外交政策を定義することになる4つの基本原則が定められている。 最初の2つは、戦争であれ内政であれ、アメリカはヨーロッパ諸国の問題に干渉しないこと、そしてヨーロッパ諸国が現在行っている植民地事業に干渉しないことを約束したものである。 それと引き換えに、西半球はもはやさらなる植民地化の余地がなく、ヨーロッパ諸国が西半球の領土を植民地化しようとするいかなる試みも、アメリカは侵略行為として理解することを規定したのである。

モンロー・ドクトリンが立案されたのは、アメリカ大陸に植民地領土を切り出すことによって、ヨーロッパの列強がアメリカの勢力圏を侵食することをアメリカ政府が懸念したためでした。 特に、オレゴン準州への勢力拡大を狙うロシアや、独立したばかりの中南米を再植民地化しようとするスペインやフランスを警戒していたのである。 英国は米国に共同宣言を行うよう促したが、米国は結局、自らの拡張主義的デザインに支障が出るのを避けるため、単独宣言を選択した。

駐米英国外相ジョージ・カニングは米州における将来の植民を禁ずる宣言を発布することを思いついた。 カニングは、米英両国がアメリカ大陸での植民地主義を（自国以外の）制限する動機があるため、共同で宣言を出すことを提案しました。 アメリカ大統領ジェームズ・モンロー、元大統領ジェームズ・マディソン、トーマス・ジェファーソンもこの案に賛成した。 しかし、アメリカ国務長官ジョン・クインシー・アダムスは、二国間宣言がアメリカ自身の拡張主義を制限することになるのではないかと懸念し、この案に激しく反対した。 モンロー大統領は最終的にアダムスの側に立ち、一方的な宣言を発した。

モンロー・ドクトリンはヨーロッパ勢力によるアメリカ領土の植民を禁止していたが、アメリカはそれを実施するだけの軍事力を持っていなかったので草案されたのである。 しかし、アメリカが世界的な大国となるにつれ、その状況は変わっていった。 1904年に発表された「ルーズベルト・コラール」は、アメリカが西半球の警察官としての役割を果たし、ラテンアメリカ諸国の問題に関与する権利を主張するものであった。 ヨーロッパ人のアメリカ大陸への干渉を制限するという理由で正当化されたが、ルーズベルト・コラリーは、その後数十年にわたるアメリカ独自の干渉主義の土台を築くことになったのである。